SATySFiインストールバトル

SATySFiは2017年度の未踏プロジェクトで開発された組版処理システムで、 「柔軟な記述とわかりやすいエラー報告」が謳われている。 論文執筆するさいにLaTeXのわけわからんエラーで時間を食うんはもう嫌なのでSATySFiを使ってみようと思う。

Gitリポジトリ

SATySFiはgithubから入手できる。リンクを貼っておく。

github.com

インストール

インストール手順はREADMEに書いてある通りに進める。 自分はMacユーザーでHomebrewを常用しているので、Homebrewフォーミュラがあるとなれば利用する。

$ brew install --HEAD nyuichi/satysfi/satysfi

コピペするときに間違えて⌘+v(ペースト)の代わりに⌘+SPCを押してしまい、Spotlight検索という機能を発見した。 「放課後ティータイム」と検索したらiTunesに入ってる放課後ティータイムの音楽を流してくれた。 インストールにちょっと時間がかかった(10分くらいかな)ので丁度よかった。

デモンストレーション

SATySFiはインストールしたらデモを動かしてみるものらしい。 なので、リポジトリにあるdemoというディレクトリだけダウンロードする。

$ svn export https://github.com/gfngfn/SATySFi.git/trunk/demo

demoディレクトリの中にはMakefileとdemo.satyとlocal.satyhが入っている。 Makefileがあるので素直にmakeする。

$ make

すると、百行くらいの出力の最後に

! [Error] package file not found:
      dist/fonts/Junicode.ttf
    candidate directories for the SATySFi library root:
      /Users/prololo/.satysfi
      /usr/local/share/satysfi
      /usr/share/satysfi
make: *** [all] Error 1

と出てきた。Junicodeというフォント(のパッケージファイル)が見つからないので、3つある候補地のどこかに配置してくれということらしい。

https://sourceforge.net/projects/junicode/files/

でJunicode-1.002.zipをダウンロードした。zipを解凍すると、Junicode.ttfの他にもChangeLogだとか、docディレクトリだとかなんとか.ttfだとか入っていた。 .ttfの奴らは多分フォントのファイルなんだろうと勝手に決めつけて全部/User/prololo/.satysfiに突っ込むことにした。

$ mkdir -p ~/.satysfi/dist/fonts
$ cp ~/Downloads/junicode-1.002/*.ttf ~/.satysfi/dist/fonts/

もう一度makeコマンドを走らせると、今度は

! [Error] package file not found:
      dist/fonts/ipaexm.ttf
(以下略)

と怒られた。今度はipaexmというフォントが必要らしい。もーめんどくさい。

https://ipafont.ipa.go.jp/old/ipaexfont/download.html

でIPAex明朝 (Ver.002.01)というのをダウンロードした。 このフォントは利用規約があったけど、ざっと読んだところ利用は商用・非商用問わず自由にできて、 改変したプログラムを再配布するときだけ注意が必要な感じだった。 改変とかする予定ないし問題ないね。 というわけで、

$ cp ~/Downloads/ipaexm00201/*.ttf ~/.satysfi/dist/fonts/
$ make

とすると、

! [Error] package file not found:
      dist/fonts/ipaexg.ttf

と三度怒られた。たくさんフォントが必要なんだなぁ。 というか、これさっきのページのゴシックの方じゃん。 最初から2書体パックをダウンロードすればよかった。悲しい。 ゴシックもダウンロードして、

$ cp ~/Downloads/ipaexg00201/*.ttf ~/.satysfi/dist/fonts/
$ make

ってやったら、

! [Error] satysfi-logo.jpg: No such file or directory

と出てきた。 satysfi-logo.jpgというファイルが必要らしい。 最初から入っててくれ。 SATySFiのページのいかにもロゴっぽい画像を保存したら、satysfi-logo.pngだった。 jpgじゃねーのか。 仕方ないからJPEGに変換して使う。

$ sips -s format jpeg satysfi-logo.png --out satysfi-logo.jpg
$ make

で、ようやくdemo.pdfが出力されました。めでたしめでたし。