微分可能多様体の定義について

位相多様体とは

位相空間 M n次元位相多様体であるとは、 次の三つの性質をすべて満たしていることである。 すなわち、

  1. Hausdorffの分離公理が成り立つ。
  2. 第二可算公理が成り立つ。
  3. 任意の点p \in Mに対して、 p局所座標系(U, \phi)が存在する。 ここで、座標近傍 U pの開近傍、 局所座標\phi: U \to \phi(U) \subset \mathbb{R}^n同相写像である。

今読んでる本によると、位相多様体は以上のように定義される。 第二可算公理は位相多様体の定義に含めないことも多いらしい。

微分可能多様体とは

位相多様体MC^{\infty}微分可能多様体であるとは、 あるアトラス \mathcal{S} = \{ (U_{\alpha}, \phi_{\alpha}) \}_{\alpha \in A} が存在して、 任意の座標変換f_{\beta\alpha}: \phi_{\alpha}(U_{\alpha}\cap U_{\beta}) \to \phi_{\beta}(U_{\alpha}\cap U_{\beta})C^{\infty}級であることである。

ここで、アトラスというのは、Mを被覆する局所座標系の集合で、 座標変換はf_{\beta\alpha} = \phi_{\beta}\circ\phi_{\alpha}^{-1}で定義される。

思ったこと

微分可能多様体というのは滑らかな多様体なんだと思うんだけど、 その定義中の局所座標関数には微分可能性を要請しないのがちょっと不思議な感じがした。 よくよく考えると、微分可能多様体を定義する時点では多様体上の関数に微分可能性が定義されていないので当然なのかもしれない。